Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

リュウキュウボウランの謎

collect in Okinawa island,Japan. (This plant cultivate in Tokyo.) 通称「リュウキュウボウラン」。東京の某展示会に出品されていた株を知人が撮影したもの。(掲載は撮影者の了承済) この植物に関しては色々と感慨深いものがある。もともとは亡き師匠が…

Hong Kong orchid tree

Bauhinia X blakeana form Hong Kong. cultivate in Higashi village, Okinawa island, Japan オオバナソシンカ(大花蘇芯花)。葉が偶蹄類の蹄の形に似ており、沖縄ではヨウテイボク(羊蹄木)という名前でも呼ばれている。アカバナハカマノキ(赤花袴乃木…

オキナワチドリの段ボール播き

今回はオキナワチドリの段ボール播き記録。 「段ボール播き」とは何か?と言う初心者の方は「段ボール、ダンボール、実生、発芽、ウチョウラン」などの単語を組み合わせて検索してみていただきたい。日本発祥のチドリ類実生法だが、海外にも伝わってDactylor…

Malpighia emarginata

Acerola (Malpighia emarginata ) harvested in Okinawa island. 熱帯果樹、アセロラの生果実。中に3粒の種子がある。 あまり知られていないが、沖縄本島の本部町はアセロラの栽培に力を入れている。そして本日5月12日は、本部町アセローラの日制定委員会が…

園芸検定試験(チドリ類・交配育種)

問2:オキナワチドリの円弁花と、純白花を交配して実生を育成した。この画像の両親の間に生まれた交配実生にどのような花が咲くか、予想を述べよ。 なお、母親には純白花の遺伝因子は無い。また、父親の血族に純白花以外の特別な色彩の花は存在していない。…

園芸検定試験(チドリ類・品種鑑別)

問1:こちらにオキナワチドリの「白花」が2株ある。この2株には根本的な違いがあるが、それは何か。なお、花型や花弁の質の違いは単なる個体差なので無視してよい。 回答:一般人が区別する必要はない。疲れている時にはややこしい解説など読まずに寝よう…

Sophora tomentosa

in Habitat. Okinawa island, Japan. イソフジの花。沖縄本島中部、東海岸にて。 熱帯域の海浜に自生するマメ科の低木。日本では奄美大島が分布北限らしい。 葉に海水をはじく短毛が密生して銀色に見え、ビロード調の手触りである。鉢植えにするには少し大き…

オキナワチドリの生産・販売苗をお探しなら

最新交配品種の画像はこちら 当園は日本で唯一、オキナワチドリの生産・販売をしている専門ナーセリーです。数十年以上も前に採集され、現在も栽培下で維持増殖され続けている旧銘品を栽培保存し、自生地が開発等によって消滅してしまった野生系統の増殖普及…

Scutellaria rubropunctata

from Amami island, Japan. アカボシタツナミソウ、紅一点花風。奄美大島産。 アカボシタツナミソウは屋久島から沖縄本島にかけて分布する、琉球列島固有種。耐寒性があり、本土でも強く凍結させなければ屋外でも越冬する。花がそこそこ綺麗で栽培も容易だが…

オキナワチドリ純白地・二条点

seedling in 2019. オキナワチドリ実生初花。純白地・二条点。 花粉塊は黄色。 特にインパクトのある花でもないし、だから何?で終わりである。イワチドリで非常に良く似た品種が量産されて広く出回っているので、多少ランに詳しい方であれば珍しくも何とも…

New Book

published in 15/01/2019 ゲッチョ先生こと、盛口満氏の新刊。琉球弧(奄美含む)の植物利用についての聞き書き集。初耳の情報が多く、植物に関する雑学集として秀逸だが、文章が主体で図録ではないため読み手を選ぶ。 内容的には知識収集属性のある人間なら…

Habenaria unknown hybrid

probably, Pectabenaria Rapee Sagarik (Pecteilis susannae X Habenaria myriotricya=medusa) X Hab.?? ラベル間違いで入荷した正体不明のハベナリア(おそらく交配種ラピー・サガリク)が自然結実していたので試しに播いてみた実生個体。 www.orchidroot…

Okinawan traditional Citron

left: Citrus unshiu / center: Citrus oto / right: Citrus depressa 左はウンシュウミカン、つまり普通の蜜柑。中央は沖縄在来種のオートー。右は本土でも知名度が上がってきたヒラミレモン、沖縄名シークヮーサー。 オートーは沖縄在来柑橘の中では一番ポ…

Paphiopedilum Leeanum?

in Okinawa island, Japan. 鉢植えのパフィオペディルム。沖縄本島中部にて。 パフィオは詳しくないので間違っていたらご指摘いただきたいが、交配種リーアナム(Paph.insigne X Paph.spicerianum)ではないかと思う。パフィオ最強健種と言われる、沖縄家庭園…

Arundina hybrid

Aru.chinensis form X graminifolia alba. ナリヤラン「雲南省矮性」×小型系統純白。 親個体については過去記事参照。 この個体はどちらかというと母親似。淡色×純白の実生のためか、セミアルバと言っても良い色調になった。 「ナリヤラン」は原産地が違うと…

Selaginella lutchuensis

in habitat. Okinawa island, Japan. ヒメムカデクラマゴケ。沖縄本島中部にて。 コケという名前だが、シダの一種。国産種で言うとイワヒバやカタヒバと同属だが、ものすごく小型で目立たない。分布域は鹿児島県南部以南(ネットでは八丈島にも分布している…

Chloraea chrysantha in flask

seedlings クロラエア・クリサンタの無菌実生苗。気温が下がってきて夏期休眠から目覚めた。親個体については過去記事参照。 栽培・繁殖に関するデータはしっかり収集できたが、結論としてはこれも(管理人の基準では)栽培不可能種である。ネジバナのように…

ダイサギソウは栽培不可能(異論は認めない)

Habenaria dentata ’Hakuho-zhishi'(White Phoenix) from Okinawa island, Japan. ダイサギソウ「白鳳獅子」系。沖縄本島で見つかった変異系統。亡き師匠が発見者から譲り受けた個体がオリジンだそうで、管理人は師匠から種子を分けてもらって無菌培養で育成…

Aster asa-grayi

in habitat, Okinawa island, Japan. イソノギク。奄美大島、沖永良部島、沖縄本島に分布する。海岸の岩場で見られるが、自然海岸が破壊されつくした沖縄本島では、まとまった個体数が見られるのは天然記念物指定の景勝地、万座毛の風衝植生地域ぐらいしか無…

Juniperus taxifolia var. lutchuensis

from Okinawa island. 管理人宅植栽、オキナワハイネズ雌木・・だと思うが、本土産のハイネズと酷似しており、正直なところ同定には自信が無い。 20年以上前に沖縄本島北部の海岸に自生していた個体から果実を採ってきて、自宅で実生育成したもの。なので自…

ハベナリアを栽培できない理由

Habenaria medusa from seed. ハベナリア・メドゥーサ(ミリオトリカ)。管理人実生個体。初めて入手したのは15年ほど前になるだろうか。それ以来実生で殖やしながら育て続けてきたが、結論としては自分には栽培不可能な植物だった。 まず第一に低温になると…

Leucas mollissima var.chinensis

from Okinawa island, Japan. ヤンバルツルハッカ。沖縄本島産。画像個体は管理人の作場で雑草化していた個体で、若干日照が少ないため葉が長くて色が濃い。海岸で潮風と直射光に当たっている個体は黄緑色の葉で肉厚で毛深く、別種のような印象になる。 トカ…

Pectabenaria 'Unregistered' F2

(Pecteilis radiata X Habenaria linearifolia) X Hab.linearilofia (サギソウ♀×オオミズトンボ♂)× オオミズトンボ♂ 当ブログで2016年に紹介した栽培場で、戻し交配によって作られた交配種。 sister plant 1 姉妹個体。交雑種の後代なので形質にはバラつき…

Kaempferia sp.

Kaempferia sp. Wild collect, from Chiang Mai, Thailand. タイ産のショウガ科バンウコン属の不明種。知人から2年前に分与してもらった株の初花で、仮称ケンフェリア・マイクロミニ。 当ブログはラン科&沖縄植物をテーマにしており、なおかつ野生採取個体…

Vanda lamelata

in Orchid show, Okinawa island. コウトウヒスイラン。沖縄本島の某蘭展にて。 コウトウヒスイランは台湾の紅頭嶼(こうとうしょ。現在の蘭嶼(ランユー)島)に自生する翡翠蘭(バンダ属の和名)という意味。日本国内で唯一のバンダ属と言われていたが、フ…

Amitostigma lepidum seedling

seedling in 2018. オキナワチドリ実生。 数多くの実生の中から「ちょっと変わった花」を探して、検定交配して遺伝特性を調べ、次世代の新しい花を作出する素材として整理していくのが管理人の趣味。 とはいえ一般的な人は植物の種名を覚えることすら一苦労…

Asarum caudigerum

in habitat. Nakijin village, Okinawa island, Japan. オナガサイシン、別名カツウダケカンアオイ。自生地にて撮影。 自生地はハブの巣窟で、足場も悪いので案内人無しで行くと簡単に死ねる。 観賞価値はそれほど高くないと思うのだが、カンアオイ類はコレ…

Spathoglottis hybrid

in Okinawa island, Japan. コウトウシラン系交配種。沖縄本島植栽。 コウトウシランは一年を通じて生長を続ける熱帯性常緑地生蘭。20℃以下になると生長が止まり、長期間生長が止まっていると調子を崩して枯れはじめる。(ただし同属の一部には冬期に落葉休…

オキナワチドリの枯らし方(その5)

沖縄本島北部、オキナワチドリ自生地。 定点観察に行ってみたら、未開花の実生がかろうじて数本残っていたが、開花株は一本も見当たらなかった。 まあ「お前の自作自演だろ?」と言われても否定する材料は何も無い。いずれにしてもこういう事例がある以上、…

オキナワチドリの枯らし方(その4)

販売されているオキナワチドリ。沖縄本島内の某ガーデンセンターにて。 平鉢に赤土(そのへんで掘ってきた)で植え、表面に苔(そのへんで剥いできた)を張り付けてある。植え方が適当で、植物が傾いて根が露出している。草姿から推察して、作りこみ品ではな…