Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Arundina hybrid

Aru.chinensis form X graminifolia alba.

f:id:amitostigma:20181126104648j:plain

ナリヤラン「雲南省矮性」×小型系統純白。

親個体については過去記事参照。

この個体はどちらかというと母親似。淡色×純白の実生のためか、セミアルバと言っても良い色調になった。

「ナリヤラン」は原産地が違うと著しい差異が認められることが珍しくない。系統ごとに草丈、花の大きさや色形・耐寒性・繁殖率・栽培難易度などが激しく異なり、学者によっては別種として学名をつけている場合もある。形態的にgraminifoliaの範疇であっても、別種とは言わないまでも亜種扱いで良いのでは、と思うような個体群が色々とあって、分類学的に細分と統合が繰り返されている。実物を見ないで文献だけ調べても、何が何だかよく判らない。

花命が短いため園芸的にはあまり重要視されていないランなので、地域変異をコレクションしたり交配育種したりしている人はほとんどいない。地域変異に関する資料は少なく、属の全容が混沌としている。

「ナリヤランの栽培は…」とか解説しているサイトは数多くあるが、その記述は多くの場合、特定の個体群(の中の一個体)を育てた経験談(あるいは実際には栽培しておらず、どこかから転載しているだけ)にすぎないことに注意していただきたい。本気で踏み込むならば、広義の「ナリヤラン」の栽培は単純に語れるようなものではない、とだけ申し上げておく。