Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Malpighia emarginata

Acerola (Malpighia emarginata ) harvested in Okinawa island.

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熱帯果樹、アセロラの生果実。中に3粒の種子がある。

あまり知られていないが、沖縄本島本部町アセロラの栽培に力を入れている。そして本日5月12日は、本部町アセローラの日制定委員会が制定し、日本記念日協会に登録した「アセロラの日」である。マジである。

アセロラは加工食品が広く出回っているので、名前だけなら知っておられる方も多いと思うが、生果実を食べたことのある方は少ないだろう。果実が傷みやすく流通に向いていないこともあるが、ぶっちゃけ言うと生果実のまま食べても驚くほど美味しくは無いので、生果の状態ではあまり出荷されていないのである。沖縄本島内ですら販売されている場所は多くない。

品種によっても味が違う(やたらと酸っぱい加工用品種と、ほんのり甘い生食用品種がある)が、いずれにしても生果の状態ではサクランボを上回る味だとは言い難い。甘味品種を完熟状態で木からもいで食べればフレッシュな香りもあって悪くないが、収穫時期が早いと酸っぱいだけで青臭さもあり、正直言って微妙である。むしろキリっとした酸味を生かす方向で、加工してピューレやジュースにしてから砂糖や他種の果汁、あるいはお酒やヨーグルトなどに混ぜて賞味するのが正解であろう。というかそういう方向で加工品になったものが全国流通しているわけである。

しぼりたてフレッシュジュースは生果実を農場から取り寄せて自作するか、あるいは加工工場でも見学しない限り賞味するのは難しい。生産農場近辺のお店で提供されている「生ジュース」も多くの場合、一旦冷凍したパックを解凍して使っている模様。それでも一般流通している量産アセロラジュースとは別物なので、観光などで見かけた時にはぜひご賞味いただきたい。沖縄の素晴らしい思い出になることだろう。

まあ冷凍果実、冷凍ピューレ、冷凍生ジュースは通販でいつでも買えるんだけどな(ボソッと)