Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

・地生蘭

オキナワチドリ

オキナワチドリ三蝶咲き「小角」の実生苗。洋ラン用語で言うとトリラベロ個体。 世界らん展2024で苗が売っていた模様。 当年芸(その年だけの偶発的な変異)で複数の唇弁ができた花はたまに見かけるが、毎年こういう花が咲く個体は、オキナワチドリではこの…

書籍紹介

今月発売。 同書より画像引用。 ヒスイアキザキヤツシロラン - Google 検索 児童書なので小学生でも判るように書かれているが、内容的には大学院レベル。というか、このシリーズには「どうしてこんな内容の本を出そうと思ったんだ」(褒め言葉)と言いたくな…

過去の撮影画像

Amitostigma lepidum(Hemipilia lepida) X Ami. keiskei (Hemi.keiskei) selected clone 'Thin form' 関連記事

過去記事まとめ(オオミズトンボ種間交配)

2014年の原種親から、今年度(2022年、交配第3世代)までの経過。 Habenaria sagittifera 原資1:交配母体のミズトンボ、栽培下増殖個体。2014年、関東某所にて撮影。 ミズトンボの花のアップ。 Habenaria linearifolia 原資2:花粉親のオオミズトンボ、…

ヤフオク、2022年9月から国内野生生物の出品禁止

準絶滅危惧種まで含め、レッドデータ種の個人出品がすべて禁止された。 auctions.yahoo.co.jp ・今後、環境省のレッドデータ指定種は ①人工増殖品のみ、②ストア出店者に限り出品が認められる。(出店契約時に登録審査あり。出品時には繁殖環境の画像提示が条…

サギソウ「飛翔4世」

この画像は「飛翔」ではない。某氏のオリジナル品種で、一般流通はしていない。 オークションの見本画像に何度も盗用されてしまったが、すべて無断使用、なおかつ品種詐欺である。見つけた方は運営に通報していただきたい。 今回は過去画像の整理。以前に本…

南アフリカの地生蘭(某所で売ってます)

Satyrium erectum from South Africa サティリウム・エレクタム。画像個体は日照不足でだらしない姿になっている。真の姿は画像検索されたし。(下方リンク、パシフィック・バルブ・ソサエティのサイトに自生地画像あり) 南アフリカの小雨地域に自生する冬…

歳を報せる蘭

Cymbidium sinense var.alba from Amami island, Japan. ホウサイラン素心(そしん)。通称、白花ホウサイ。 中国の旧正月(2022年は2月1日)頃に開花することから「報歳蘭」という呼び名がついたという。日本だと花期は少し遅れることが多い模様。 いわゆる…

オキナワチドリの属間交配種

Ponerorchis lepida X Shizhenia pinguicula オキナワチドリ4倍体 X 中国大花チドリ。 以前の記事でも紹介した交配種。某業者からの販売例がある。 今まで説明した事が無かったが、園芸界では「A X B」という表記はAが受け・・じゃなかった母親(子房親)で…

オキ「イ」ワチドリ異質3倍体

Amitostigma lepidum 'Tetraploid' X Ami.keiskei オキナワチドリ4倍体(大点花)X イワチドリ2倍体。 母体に4倍体オキナワチドリを使ったためこの個体の遺伝子はオキナワチドリ:イワチドリ=2:1の比率になっている。そのため下記交配種(2倍体 X 2倍体=…

Pectabenaria 'Unregistered' F3

((Pecteilis radiata X Habenaria linearifolia) X Hab. lineariforia) X Hab. linearifolia ((サギソウXオオミズトンボ)Xオオミズトンボ) X オオミズトンボ。 知人が某業者バックヤードにて撮影した画像を転送してもらった。(公開許可済) 地生蘭の場…

Habenaria dentata 'Leafless'

Habenaria dentata 'Leafless form' ダイサギソウ変異個体「開花時葉無し」。 本土産(産地不明。鹿児島?)のダイサギソウの実生から選別された系統。未開花苗(下方に写っている株)は普通に葉があるが、開花球になると葉を出さずにいきなり花が咲く。 プ…

ネルビリア? それは栽培ではなく、ただの延命

單花脈葉蘭 (通称、台湾ムカゴサイシン)Nervilia taiwaniana seedlings , 2019 deflasking. 種子から育成した無菌培養実生。令和元年フラスコ出し、今年度初花。 関連記事はこちら。 「台湾ムカゴサイシン」は数十年前に台湾から少数が輸入され、たまたま栽…

「銀の丘」再始動

世界的に名を轟かせていた南アフリカのシードハンター、シルバーヒルシードの園主ご夫妻が盗賊(本物)の襲撃によってお亡くなりになった事件からすでに3年。 南アフリカの固有植物(固有蘭も含む)を一手に扱っていた貴重な業者もこれで活動停止か? と心配…

Habenaria hybrid

Habenaria ciliolaris X Hab. dentata. 台湾産のネバリサギソウと、ダイサギソウの交配種。 花傷みが激しい。鑑賞的にはとりたてて騒ぐような要素は無い。

オキイワチドリ(誤字ではない)

Amitostigma lepidum X Ami.keiskei オキナワチドリ大点花♀ X イワチドリ紅一点花♂ オキナワチドリとイワチドリを交配してみたらどう? などと冗談で言う方は時々いるが、花期が一致しづらいので開花調整しないと交配できない。そのため実際にやってみた方は…

あなたはナリヤランの事を知らない

Arundina hybrid 'alba' ナリヤラン種群間交配個体、3.5号鉢。小型個体群純白花と、おそらく亜種として分類されるであろう矮性濃色個体群の交配個体(後述)の種子から育てた第二世代。 端的に言うと(白X 赤)Xセルフ。 まあ鑑賞的にはそれほど悪くないと思…

日本産の野生ランを育てるのは犯罪です

こちらが法律で販売・譲渡が規制されている生物種のリスト(2020年時点) https://www.env.go.jp/nature/kisho/pamphlet/pdf/kokunaikisho.pdf (下:2023年、改訂版を追記) https://www.env.go.jp/content/000113583.pdf 環境省は、絶滅が危惧されている動…

Calanthe X dominyi ?

in Orchid show 夏咲きエビネ系の何か。某所の蘭展示会にて。コロナウイルスの影響で、展示会というものが存続できるかどうか怪しい。 画像は俗に「琉球エビネ」という流通名で呼ばれている植物。花色が良いが耐暑性に乏しいオナガエビネと、耐暑性のあるツ…

Okinawan lacquerware

made in Okinawa island, Japan. 20C. 琉球漆器、堆錦(ついきん)飾り皿。 現在は生産されていない図案で、おそらく昭和期のものだと思われるが未鑑定。 東洋蘭であることは間違いないが、アバウトな絵柄なので種名はよく判らない。 葉が小さくて花が大きい…

Spiranthes sinensis var.sinensis

from Okinawa island, Japan ナンゴクネジバナ。沖縄本島では本土のネジバナと同様、芝生に生えている。一般的には花弁の先端のみがほんのり赤く染まる、いわゆる「口紅咲き」の個体が多いが、画像個体は比較的濃色で本土のネジバナとほとんど区別がつかない…

Amitostigma hybrid

Ponerorchis lepida X Shizhenia pinguicula オキナワチドリ X 中国大花チドリ。 某業者が販売している交配種。 以前は両親ともAmitostigma(旧イワチドリ属)だったが、現在はオキナワチドリはPonerorchis(ウチョウラン属)に統合され、学名もAmitostigma …

Habenaria fumistrata?

from Thai. ハベナリア・フミストラータとして入手したラン。タイ産。 学名は Habenaria diphylla が正しい可能性もあるが、近似種が多くて確定できない。詳細は下記(英語)参照。 上画像とは別の株。ヒゲ(唇弁の側裂片)の角度や長さには個体差がある。 …

Spiranthes sinensis var. sinensis?

from Kunigami village, Okinawa island, Japan. ナンゴクネジバナっぽい何か。沖縄本島国頭村、9月3日撮影。 画像だと純白花に見えるが、実物は花弁がうっすらとピンクに発色している。花序は無毛。 形態的にはナンゴクネジバナなのだが、ナンゴクネジバナ…

業務連絡:こういうのが咲くそうな

((サギソウ標準花 X 「八月(はづき)」) X シブリング)=「実生・その1」 本土の某所で撮影。 側花弁が唇弁化した「二蝶咲き」で距が2本ある。萼片は2枚のみ、唇弁が欠損している。この株は花粉、柱頭、子房が退化しており結実しない。 こちらが祖父…

Habenaria unknown hybrid

probably, Pectabenaria Rapee Sagarik (Pecteilis susannae X Habenaria myriotricya=medusa) X Hab.?? ラベル間違いで入荷した正体不明のハベナリア(おそらく交配種ラピー・サガリク)が自然結実していたので試しに播いてみた実生個体。 www.orchidroot…

Paphiopedilum Leeanum?

in Okinawa island, Japan. 鉢植えのパフィオペディルム。沖縄本島中部にて。 パフィオは詳しくないので間違っていたらご指摘いただきたいが、交配種リーアナム(Paph.insigne X Paph.spicerianum)ではないかと思う。パフィオ最強健種と言われる、沖縄家庭園…

Arundina hybrid

Aru.chinensis form X graminifolia alba. ナリヤラン「雲南省矮性」×小型系統純白。 親個体については過去記事参照。 この個体はどちらかというと母親似。淡色×純白の実生のためか、セミアルバと言っても良い色調になった。 「ナリヤラン」は原産地が違うと…

Chloraea chrysantha in flask

seedlings クロラエア・クリサンタの無菌実生苗。気温が下がってきて夏期休眠から目覚めた。親個体については過去記事参照。 栽培・繁殖に関するデータはしっかり収集できたが、結論としてはこれも(管理人の基準では)栽培不可能種である。ネジバナのように…

ダイサギソウは栽培不可能(異論は認めない)

Habenaria dentata ’Hakuho-zhishi'(White Phoenix) from Okinawa island, Japan. ダイサギソウ「白鳳獅子」系。沖縄本島で見つかった変異系統。亡き師匠が発見者から譲り受けた個体がオリジンだそうで、管理人は師匠から種子を分けてもらって無菌培養で育成…