Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

・地生蘭

ハベナリアを栽培できない理由

Habenaria medusa from seed. ハベナリア・メドゥーサ(ミリオトリカ)。管理人実生個体。初めて入手したのは15年ほど前になるだろうか。それ以来実生で殖やしながら育て続けてきたが、結論としては自分には栽培不可能な植物だった。 まず第一に低温になると…

Pectabenaria 'Unregistered' F2

(Pecteilis radiata X Habenaria linearifolia) X Hab.linearilofia (サギソウ♀×オオミズトンボ♂)× オオミズトンボ♂ 当ブログで2016年に紹介した栽培場で、戻し交配によって作られた交配種。 sister plant 1 姉妹個体。交雑種の後代なので形質にはバラつき…

Spathoglottis hybrid

in Okinawa island, Japan. コウトウシラン系交配種。沖縄本島植栽。 コウトウシランは一年を通じて生長を続ける熱帯性常緑地生蘭。20℃以下になると生長が止まり、長期間生長が止まっていると調子を崩して枯れはじめる。(ただし同属の一部には冬期に落葉休…

世界らん展2018 : オキナワチドリがトロフィー賞

Amitostigma lepidum 'Zuisen' cultivated by Takahiro Yagame, Saitama pref. Japan. flowerpot make by Syunji Mituhashi, Tokyo,Japan. 知人による2018年、東京ドーム蘭展からのレポート。(掲載許可済) Yomiuri News, 18/02/2018. 読売新聞2018年2月18…

Amitostigma hybrid

Amitostigma lepidum X A.keiskei オキナワチドリ大点♀ × イワチドリ標準花♂ 上画像の実生姉妹。斑紋が多少異なる。 二枚葉であることを除けば、イワチドリと大差は無い。父親似なので交配が成立していることは推察できるが、これだと見た目に新鮮味が感じら…

Malaxis purpurea

from Okinawa island, Japan. 沖縄本島産のオキナワヒメランという説明のもとに、知人から種子をもらったラン。無菌培養で育成して開花させた。沖縄には酷似したカンダヒメランM.kandaeというランもあると言われているが、ネットで検索してみてもオキナワと…

Nervilia nipponica propagation in flask

bloom in flask > autopollination > mature seeds > autocultivation 昨年12月に紹介した沖縄本島産ムカゴサイシンの続報。菌依存性が高く、鉢栽培は困難なのでフラスコから出さずに継代培養しているが、今年は5本が開花してそのうち1本が結実した。 鉢栽…

Stenoglottis hybrid.

Stenoglottis (longifolia X fimbriata)X self. 通称ムレチドリ。もともと「ムレチドリ」は南アフリカ固有種Stenoglottis longifoliaの和名だったようだが、最近では同属のSt.fimbriata(ウズラバムレチドリ)との交配種、およびその後代がムレチドリの商品…

Macodes petola

in Orchid Show. マコデス・ペトラ、和名ナンバンカゴメラン。(環境省資料ではナンバンカモメラン) 某蘭展にて撮影。 いわゆるジュエルオーキッドの一つ。画像では判りにくいが、実物は葉脈がキラキラと光を反射し金属感のあるパウダーゴールドに輝いてい…

チュウミズトンボの種子

continue from 01/08/2017 25 days after pollination 8月1日の記事の続き。 (ミズトンボ×オオミズトンボ)×セルフ、交配後25日目 seed pods 果実の拡大画像。 almost mature embryo of 25 days seeds 稔性チェックのため果実から取り出した種子、拡大画像…

チュウミズトンボ(仮称)

Habenaria sagittifera X Hab. linearifolia ミズトンボ♀ X オオミズトンボ♂ 人工交配個体。某植物園バックヤードにて撮影。仮称はチュウミズトンボ(笑) 萼片がミズトンボより白いが、後ろに強く反転する特徴はミズトンボに近い。距の形状は両親の中間型。…

Chloraea bletioides

from Chile. 栽培するのが割に合わない蘭シリーズその3、クロラエア・ブレチオイデス。知人の栽培品で性質はクリサンタに準ずるとのこと。これも数年前に某業者が限定販売したランで、最近ではヤ〇オクにも出品があった。 今回紹介したクロラエア属の中では…

Chloraea incisa

from Chile. 栽培するのが割に合わない蘭シリーズ、その2。 チリ産の地生蘭クロラエア・インチサ、管理人栽培個体。数年前に某業者が数量限定でネット通販していたラン。性質は前回のクロラエア・クリサンタとほぼ同じだが、花に微香がある。草姿は見ただけ…

Chloraea chrysantha

from Chile. 知人宅で栽培されている南米チリ産の地生蘭。クロラエア・クリスタータというインボイスネームで輸入されたそうだが、クロラエア・クリサンタではないかと思う。 www.chileflora.com 全体像。上画像の背後の四角いタイルの一辺がちょうど30㎝、…

ムカゴサイシンの種を播いてみた

Nervilia nipponica from Okinawa island, Japan. in flask propagation. 沖縄本島産ムカゴサイシン、フラスコ実生。某研究者が研究材料として採集してきた果実を強奪し、サヤの中に入っていた種子を培養したもの。 bloom in flask. フラスコ内での開花。沖…

Amitostigma hybrid.

Amitostigma lepidum X Ami.pinguiculum. オキナワチドリ大点花(冬緑性) × 中国大花チドリ(春~夏生育型)。昨年の画像と別個体。 この個体の出芽時期はオキナワチドリとほぼ同時期(個体によって差があり一斉には咲かない)だったが、出芽後にすぐ開花す…

Habenaria rhodocheila complex hybrid.

Hab.rhodocheila complex 'Small Flower' X (aff.militaris X (rhodocheila X other rhodocheila)) ハベナリア・ロドケイラ種群内、4系統を使った交配個体。丈夫で分球率の高い小輪個体に、比較的花色の良い個体をかけてみた。花型はあまり良くないが、花色…

Habenaria Jiaho Yellow Bird

Habenaria rhodocheila(orange) X Hab.medusa ハベナリア・ロドケイラ×メデューサ。管理人交配個体。 ロドケイラ系とメデューサの交配は各国で散発的に作出されている。サンダーズリスト(ラン科植物交配登録)では、ロドケイラ×メデューサは台湾の佳和蘭園 …

Habenaria rhodocheila complex hybrid.

Habenaria xanthocheila X Hab. erichmichaelii. ハバナリア・キサントケイラ(黄色)X エリミカエリ(ピンク)。 色がやや淡いことを除けば、ロドケイラ種群のオレンジ個体群とほとんど区別がつかない。オレンジは赤系と黄色系の重ね色だと解釈して良いのだ…

オオミズトンボ販売開始

Habenaria linearifolia seedling, by A.G.Y. Nursery. オオミズトンボ。 昨日のオオスズキサギソウ(仮称)と同じ場所で栽培されていた。某業者さんが北関東産の個体から実生増殖し、数年前から販売している系統だそうだ。 オークションで転売されて数万円…

オオスズキサギソウ(仮称)

Pecteilis radiata X Habenaria linearifolia サギソウ X オオミズトンボ(別名サワトンボ)。某植物園のバックヤードで撮影。沖縄では自然気候下で栽培できない植物の一つ。 サギソウとミズトンボの交配種であるスズキサギソウ(Pectabenaria Yokohama: Pect…

Spathoglottis X parsonsii (with Thrips.)

in Orchid show. スパソグロティス・自然交雑種パーソンシー。某蘭展にて撮影。 フィリピンで常緑種コウトウシランSpathoglottis plicata と落葉種Spa. vanoverberghiiの混生地に見つかるランだそうだ。ただし栽培流通品は日本のエビネと同様に交配親が判然…

Bletilla hybrid

Tri-Lips unknown hybrid. シラン系交雑種・酔白・三蝶咲き。作場の枯れ鉢の中から生えてきた自然実生だが、これと似た品種を栽培していた記憶が無い。 交雑種が親だと実生後代で形質分離し、いろいろな色や形の子供ができてくる。そのため外見的特徴から親…

Bletilla striata 'Tri-Lips'

seedling from Nursery. シラン三蝶咲き。花弁が唇弁化した突然変異個体で、初めて発見された時にはマニア達が大騒ぎだった。当初は超希少品で、入手したければ業者に予約して順番待ちしなければならなかった。その後に増殖が進み、現在ではホームセンターな…

Tuber of Diuris alba

seedling's new tubers. 試験的に掘りあげてみたディウリス・アルバの球根。しなびて茶色くなっているのが昨年度の球根、白くてみずみずしいのが今年できた新球根。あまり作上がりはしていないようだが、作落ちもせず現状維持という感じ。地生蘭の中には開花…

Bletilla hybrid

unknown grex seedling. シラン系実生。栽培場に放置してあった枯れ鉢から勝手に生えてきた。純粋なシランではなく小白笈系の小型種の血が混ざっていると思われる。チャボシラン(シラン×アマナラン)が親ではないかと推測しているが、正解は不明。 管理人の…

Bletilla ’Coerulea’

Bletilla striata 'Murasaki-shikibu' wild correct in Japan. シラン「紫式部」。俗に「青花シラン」と呼ばれる野生選別の色彩変異個体。発見当時は新色発見として大騒ぎになり、バブルの頃でもあったので恐ろしい値段がついた。その後は増殖が進んで価格も…

Bletundina 'Miyako-shirayuki'

Bletilla striata X Arundina bambsifolia(graminifolia) propagate by Mr.Y.U@Miyazaki pref., Japan. ナリヤシラン「都白雪」。宮崎の業者さんの作出品で、シランとナリヤランの交配種。 シランの属間交配種と言われるものの中には、単為発生由来と思われ…

Arundina graminifolia

seedling. ナリヤラン実生初花。花弁が平開し、淡色で上品な色合い。

Calanthe discolor var. kanashiroi.

from Okinawa island. カツウダケエビネ。沖縄本島特産のジエビネ南方変種で、外見的にはジエビネと大差が無い。耐寒性が高くないので、降霜がある地域では屋外越冬は難しい模様。 一般には花に香りがあるとされている。しかし香気成分が特殊らしく、人によ…