Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Habenaria rhodocheila complex hybrid.

Habenaria xanthocheila X Hab. erichmichaelii.

f:id:amitostigma:20160824100140j:plain

ハバナリア・キサントケイラ(黄色)X エリミカエリ(ピンク)。

色がやや淡いことを除けば、ロドケイラ種群のオレンジ個体群とほとんど区別がつかない。オレンジは赤系と黄色系の重ね色だと解釈して良いのだろうか?後代で形質分離するのか気になる。

ロドケイラ種群内での交配種、および近縁種のカーネアとの交配種には稔性があるので、さらに交配を進めて色彩変異のバリエーションを増やしていくことも可能ではあろう。

が、熱帯ハベナリアは日本の気候に合わないので長生きさせにくく、いくら殖やしても最終的には消費栽培で終わる。というか地生蘭は(一部に例外もあるが)一般的に個体寿命が短く、積極的に実生更新しないとそもそも系統維持が難しい。

寿命が短いと判っていて高額で買う趣味家はほとんどいない。地生蘭を買う人の中には、長く育てられると思っている勘違い初心者、あるいは育てられなくても買うこと自体が楽しい買い物中毒の人もいるだろう。が、数として多いのは最初から消費栽培が前提の、お気楽消費者ではあるまいか。

枯れると思いつつ買う=枯れても惜しくない金額のものしか買わない。栽培にも金をかけないかける気もない。その気になればそこそこ長生きさせられる種類でも、本気で育てる気がないので消費栽培に成るべくして成る。使い捨て、食いつぶしていくだけなので業者が生産してくれるか、野生から搾取しつづけなければ持続できない趣味だ。

しかしラン科植物は実生で殖やすと手間と時間がかかるので、質より値段を気にするような顧客層を相手に播種生産したら商売にならない。結果として販売流通するのは

1:栄養繁殖で殖やす事が可能で、なおかつ一般花卉として薄利多売できるためプロの生産業者が存在しているトキソウ、サギソウなど)

2:国外で生産したものを輸入転売している場合(韓国実生のナゴラン・フウラン、洋蘭全般)

3:マニアが展示会用に買ってくれる高額品種=実生してもコスト割れしないもの(高級ウチョウラン、高級エビネ、錦蘭、洋蘭の審査用品種など)

4:個体寿命が長く、ウイルス耐性もあって実生更新の必要性が相対的に低いラン(シラン、東洋蘭、長生蘭、富貴蘭、オーストラリア産の例外的な強健地生種など)

5:元手のかかっていない山盗り株を叩き売りしている場合(小型着生蘭、地生蘭の大部分)

のどれかになる。(奇特な業者がほとんど趣味で殖やして売るケースもあるが、そういうのは赤字なので継続しない。一時的に普及しても消費栽培のほうが多いため短期間で消えていく)

ハベナリア類がどれに該当するかは解説しないが、いずれにしても国内で長期維持している人をほとんど見かけない植物ではある。