Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

チュウミズトンボ(仮称)

Habenaria sagittifera X Hab. linearifolia

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ミズトンボ♀ × オオミズトンボ♂

人工交配個体。某植物園バックヤードにて撮影。仮称はチュウミズトンボ(笑)

萼片がミズトンボより白いが、後ろに強く反転する特徴はミズトンボに近い。距の形状は両親の中間型。唇弁はミズトンボによく似ており、中間型ではあるがどちらかと言えばミズトンボ寄りだろうか?(異論は認める)

オオミズトンボはミズトンボと混生していることがあるので、自生地でも自然交雑していておかしくないのだが、印刷物になった発見報告をまだ見たことがない。

が、aoikesi氏のブログ「蔵王のふもとから」において、オオミズトンボ自生地で撮影されたミズトンボ交雑種と思われる野生個体の画像が公開されている。

zaonofumoto.blog107.fc2.com

 

in Habitat. Fukushima pref. Japan. 08/2016

Photo by Ms.aoikesi

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上の画像はaoikesi氏のブログから引用させていただいた。おそらくこれが日本で唯一の野生交雑種の画像だろう。学会発表しても良いくらい貴重な記録であり、ハベナリア好きの管理人は参考資料として画像保存させていただくことにした。

今までも自然界で交雑個体が出現していると思うのだが、ミズトンボやオオミズトンボだと誤認され、存在を認識されていなかったのではなかろうか。(注:推論であり根拠は無い)

現在ではオオミズトンボの自生地数・自生個体数が激減しているので、このような交雑個体が新規に出現する可能性は非常に低くなっていると思う。

人工交配個体の栽培者の話では、交雑種に稔性があるかどうかは未確認とのこと。しかしミズ・オオミズ混生地で浸透性交雑による雑種個体群が生じていないことから推察して、おそらく一代かぎりの不稔雑種だろうと予想している。

(追記:下記に追加記事。2021年にこの自生地で後代と思われる個体が撮影され、野生で雑種個体群ができている可能性がある)