Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Bletundina 'Miyako-shirayuki'

Bletilla striata X Arundina bambsifolia(graminifolia)

propagate by Mr.Y.U@Miyazaki pref., Japan.

f:id:amitostigma:20160502110506j:plain

ナリヤシラン「都白雪」。宮崎の業者さんの作出品で、シランとナリヤランの交配種。

シランの属間交配種と言われるものの中には、単為発生由来と思われる非交雑個体が混じっていることがある。しかしこの個体の草姿や耐寒性は両親の中間型で、交配が成立しているとみてほぼ間違いない。(ちなみに過去にナリヤシランの名前でシランに似た植物が流通した時期があり、そちらはアマナシランが誤記されて販売されたものと思われる。)

都シリーズとして赤系「都紅」や黄色系「都若菜」なども作出されているが、いずれも適当な親を掛け合わせて作れるような品種ではなく、色彩的な完成度が高い。黄色系はシランではなく黄花小白笈系が片親だろうが、どういう親を使ったのか交配センスに感服する。ただ、ナリヤランの花持ちの悪さを引き継いでいるのが少々惜しまれる。

シラン類の属内交配種には稔性があるが、この交配はほぼ不稔になるようだ。花粉塊は痕跡程度で、シランの花粉をつけてみたが果実は膨らんでこなかった。

分子系統解析の結果を見るとシランとナリヤランはかなり遠縁のようで、交配種ができていることがそもそも非常識ではある。

PubMed Central, Fig 1: PLoS One. 2015; 10(8): e0132777. Published online 2015 Aug 5. doi: 10.1371/journal.pone.0132777