Habenaria dentata 'Leafless form'
ダイサギソウ変異個体「開花時葉無し」。
本土産(産地不明。鹿児島?)のダイサギソウの実生から選別された系統。未開花苗(下方に写っている株)は普通に葉があるが、開花球になると葉を出さずにいきなり花が咲く。
プテロスティリス属には同様の性質を持つ種類があるが、他のランではこういう性質のものはあまり聞いたことがない。開花すると栄養分を使いはたして枯れる・・かと思いきや小さい球根を作ってまた再生長してくるので、個体寿命は標準個体と同程度。まあウイルス耐性が乏しいので実生更新しないとどのみち系統維持はできない。
異様に開花が早く、うちの棚ではこの時期に咲く。本土でもあまり加温しなくても7月下旬には咲くようで、関東以南であれば気温が低下してくる前に完熟種子が得られる。これらの特性は遺伝性があるので実生するとどんどん殖やせるのだが、鑑賞的には微妙なので積極的に殖やした方はいない模様。
ちなみに花は普通の本土型ダイサギソウである。業者が少数だが販売した事があるようだが、普通のダイサギソウとして売られているらしい。購入者が「なんか変な株だった」と首をかしげながら報告しているのがネット上で観測された。