Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Cynorkis fastigiata

from Grande Comore.

シノルキス・ファスティギアタ。マダガスカルおよび近在の島々(セーシェル諸島、マスカリン諸島、コモロ諸島)に分布する地生蘭。

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個体寿命はそれほど長くないが、無交配で勝手に単独結実し、ネジバナ並みに自然実生が生えてくるので系統維持はそれほど難しくない。というか洋蘭業者には温室雑草と認識されている模様。

花はかわいいし栽培も難しくはないが、草姿が間延びするため観賞的には難がある。

抜き捨てるほど不要ではないが、意図的に殖やすほど必要でもない微妙な鑑賞価値である。園芸植物として不人気なので積極的に販売している業者はなく、珍品ではないのだが入手しにくい。「他所から入手したランの鉢植えの中から見慣れない実生が生えてきたので、育ててみたらこれだった」というような経緯で育てている方も少なくないようだ。

シノルキス属はハベナリア属と近縁で、属間交雑種が作られている。これを花粉親にして(自動結実種なので母親にはできない)他種との交雑力が高いハバナリア・メデューサあたりと交配すれば子供が作れそうな気もする。

まあ仮に可能だったとしても鑑賞的に微妙な感じの不稔個体ができるだけだと思うので、自分で交配してみる気はおきない。が、自動結実性が遺伝して種子繁殖できる交雑種が生まれる可能性も微粒子レベルで存在するかもしれない。

(ちなみに宮崎の業者さんがシノルキス属内で本種との種間交配を複数作出しておられるが、どの組み合わせでも交雑個体は不稔化してしまった模様)

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