Scientific name undescribed.
from Kumejima island, Okinawa pref. Japan.
クメノサクラ。琉球王朝時代に沖縄・久米島の士族が庭園に植栽して楽しんでいたという地域ローカル樹木。遺伝子解析ではツクシザクラ(ヤマザクラ九州亜種)に近いらしい。沖縄原産ではないようだが久米島以外で見つかっておらず、今のところ原産地不明。
ヒカンザクラより1ヶ月ほど遅れて咲き、花弁が一枚ずつ散って風情がある(ヒカンザクラは花茎ごとボタッと落ちる)。久米島の原木から継ぎ木によって増殖され、新しい観光資源として沖縄各地に植樹されている。いずれはヒカンザクラ並みにメジャーになってくると思われる。
クメノサクラとヒカンザクラの交配種は中間色のピンクになり、そちらはクメジマザクラと呼ばれているそうだ。外見がまぎらわしい上に呼び名まで似ているので混乱する。まあ、野生集団に交雑による遺伝子汚染が生じているような事例とは状況が異なるので、交雑種が生まれていても問題性は少なそうだ。ソメイヨシノのように特定個体だけのクローン植栽を作っていくほうが一般受けするだろうが、一本ごとに個性のある実生集団も見ていて楽しい気がする。