Okinawan traditional Citron

left: Citrus unshiu / center: Citrus oto / right: Citrus depressa

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左はウンシュウミカン、つまり普通の蜜柑。中央は沖縄在来種のオートー。右は本土でも知名度が上がってきたヒラミレモン、沖縄名シークヮーサー

オートーは沖縄在来柑橘の中では一番ポピュラーな種類で、完熟すると寝ぼけた味になるので青切りの状態で流通する。甘味はそれほど強くなく、フレッシュなさわやかさ、若い香りを楽しむ青い果実である。(←危ない表現)収穫量が少ないことと、他の柑橘類に打ち勝つほどのインパクトがあるわけではないので、流通はほぼ沖縄本島周辺に限定されているようだ。地元で根強く愛されているローカルフルーツである。

シークヮーサーのほうは加工品が全国流通しているが、生果実の状態で出回るのは沖縄だけだろう。青果実は本土のスダチのように料理に使ったりできるので、食べ残した種子を埋めて発芽してきた苗を畑の隅に植え、家庭果樹として利用したりする事もある。粗放的栽培で品種管理などをあまり気にしていない場合も多く、生産者によって母樹の個体差がかなりある模様。十数種の選別品種があるらしいが、一括してシークヮーサーであり品種ごとに区別した流通はされていない。ちなみに画像のように黄色くなるまで熟したものは生食用で、「黄金(クガニー)」と呼ばれる。しかし甘味はあるがそれ以上に酸味が強いので、今の時代だとフルーツとして大量に食べる人は多くないと思う。

 

Citrus tarogayo

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こちらは沖縄在来果実で最も生産量が少ないタロガヨ。外見的には同じく在来品種のカーブチーとほとんど区別がつかないが、こちらのほうが果皮が薄い。

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甘味や酸味はオートーよりも淡白な感じだが、他の柑橘類のどれとも微妙に異なる独特の香気がある。それゆえごく一部ではあるが、タロガヨでなければ駄目だ!という固定ファンがいる模様。沖縄でも道の駅など、産地直売コーナーで少量販売されるだけなので、来沖された方が運良く見かけた時にはご賞味いただきたい。

こういう地元密着型の農産物は、栽培しているお年寄りが引退したとたんに消えてしまうこともある。少量でも良いから、今後も生き残っていってほしいと思う。