Utricularia exoleta

from Okinawa island, Japan.

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ミカワタヌキモ。沖縄本島中部の保全湿地のもの。

ミカワタヌキモは沖縄県レッドデータでは絶滅危惧Ⅱ類の希少種。特に沖縄本島では湿地そのものが開発でほぼ消滅しているので、湿地性植物を見られる場所がものすごく少ない。知人から情報をもらって見に行ってきたのだが、複数の水生希少種が確認できて非常に楽しい場所だった。

・・が、希少種の自生確認!と素直に喜んでいいのかどうか判らない。酷似した外国産タヌキモの移入だった、という可能性もあるからだ。

ミカワタヌキモとされる植物は国外にも広く分布しており、DNA解析すれば複数種に分割できるのではないかとも思う。しかし外見上はどこの国のものもほとんど区別がつかない。熱帯アジアにも分布しているようで、東南アジアから輸入された熱帯魚や水草に混入していることがしばしばあるが、栄養繁殖能力がきわめて高く、環境が良好であれば1㎝くらいの断片からでも再生してくる。水草水槽などに入り込むと分枝しながらどんどん増え、アクアリストには根絶困難な雑草として迷惑がられている。そういう生命力の強い生物が野外に逸出すると、そのまま帰化してしまうことも珍しくない。

不要になった熱帯魚や水草を野外に投棄する人はどこにでもいるが、沖縄の場合は自然気温で熱帯魚が越冬繁殖してしまうので非常に悩ましい。沖縄本島では人里離れた山奥の湧水池に南米原産のグッピーが泳いでいるような状況になっているので、タヌキモ類を見つけても放流されたものではないか疑ってみる必要がある。前述の湿地は環境的に在来個体が生き残っていてもおかしくない場所ではあるのだが、DNA解析してみないと在来個体かどうか断定はできない。

管理人の経験だが、「沖縄本島中部で珍しいミミカキグサが自生していた」と言われて画像を見せてもらったら南アフリカ産のUtricularia livida(ケープタウンミミカキグサ)だった、という事例があった。まあ、そういうのは一目見れば移入種だと判るのだが、ミカワタヌキモの場合は外見からは在来個体と移入個体の見分けがつかないので困る。

ちなみにミカワタヌキモ系の外国種には、大輪花を咲かせるオオバナイトタヌキモと呼ばれる系統もある。本土で野外発見例があるようだが、そちらは花を見ればミカワタヌキモと識別可能。ミカワ型よりも観賞価値が高いので、園芸用として販売されている場合はオオバナ型が多いようだ。