閑話

琉球豚「あぐー」のロースト。那覇市内の某料理店にて。

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沖縄在来豚の「アグー」は脂肪採取用品種(昔は油が貴重品)だったため、食肉生産には不向きで飼育が急減。1983年調査で生存が確認されたのは高齢個体を含め30頭、近親交配が進んで子豚が正常に育たなくなっており、品種保存は絶望的な状態だった。

しかし地域文化を守ろうとする畜産関係者達が品種復元に着手。県内から集めた18頭を原資個体として他血統を交配、8代にわたって戻し交配&淘汰選別を続け、繁殖可能な復元アグー血統を成立させた。

当初は昔の豚を育てて役に立つのかとも言われていたが、分厚い脂身を「他の豚よりコレステロールが少ないヘルシーな脂肪」と宣伝。やがて日本唯一の在来豚として注目をあび人気が急上昇。手のひらを返すように県が本腰を入れて生産するようになり、今では全頭のDNAを解析して遺伝子レベルで近親交配を回避しつつ計画繁殖させている。

経済動物の存亡は需要があるかどうかで決まってしまう。園芸植物も状況としては同じ。ゼニにならぬ物は滅びるのみ。絶滅危惧種?何それ美味しいの?

ちなみにアグーは成長が遅く、単価が高くなりすぎるので食肉として出荷されることは少ない。本土にも出荷されている「あぐー豚」は雄アグーと他種の一代交雑種。