from Thai.
ハベナリア・フミストラータとして入手したラン。タイ産。
学名は Habenaria diphylla が正しい可能性もあるが、近似種が多くて確定できない。詳細は下記(英語)参照。
上画像とは別の株。ヒゲ(唇弁の側裂片)の角度や長さには個体差がある。
さらに別個体、これはヒゲが長め。
ヒゲがもっと長いタイプ(別種?)もあるようだが、管理人はそちらはまだ実物を見たことがない。
この種群(複数種を含む)は需要が乏しいので、洋蘭業者も輸入する気にならない模様。管理人は国内で売っているのを一度しか見たことが無い。
というか一般基準で言うと栽培不可能種に属するので、見かけても手を出さないほうが無難。まあ「手を出すな」と忠告するまでもなく、こういうものを苦労してまで育てたがる人はほとんどいないだろう。
ウチョウラン並みに腐りやすく、なおかつ熱帯ハベナリアの寒がる・殖えにくい・個体寿命がある・実生すると近交弱勢が激しい・・等々の欠点を一通り持っている。ウイルスに対してそれほど弱くないのだけが救いだが、普通の人間なら管理が面倒すぎて栽培放棄すると思う。
ハベナリア類を長期維持するには実生更新が必須になるが、近交弱勢を避けるためには別個体と交配しなければならない。こういう金銭価値も鑑賞価値も乏しいランを、たまたま見つけた時にまとめて全部買いしめて、シブリング交配して継代しているような人がいたら、控えめに言って頭がおかしい。
栄養要求性がウチョウラン・サギソウ・エビネ等とは異なるので、無菌播種培地は本種に合わせて特殊な調合にする必要がある。そういう変態知識を事前に知っていなければ、培養しても育たずに枯れる。
草姿がコンパクトで山野草として見た場合は渋い草ではあるが、一般的な美意識から言えば雑草の部類。
しかしアップで見ればターンエーか白ひげ 捨てがたい造形美だと思う。・・「普通の人は雑草をアップで見て喜ぶ趣味は無い」という指摘は無しでお願いします。