Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Amitostigma lepidum

seedling.

f:id:amitostigma:20170124101152j:plain

オキナワチドリの開花が始まった。画像はイワチドリに似た個体。

高温期が長い沖縄では、いわゆるチドリ類はほとんどすべて栽培できない。それゆえ沖縄でも育てられるオキナワチドリの存在価値は高い・・と思っていたのだが、小型野生蘭の栽培経験を積むことができない地域なので、オキナワチドリをまともに栽培できる趣味家はほとんど存在しないというのが盲点だった。いやもっと早く気付けよ。

まあ、チドリ類はもともと栽培が易しい植物ではないので、本土でも基本的には消費的に栽培されているように思われる。昭和時代のウチョウランブームの頃から栽培を続けているような年季の入ったオタク ベテラン趣味家を除けば、チドリ類を何年も上手に維持できる方は少ないと思う。

とはいえウチョウランやイワチドリの場合は球根を植えつけてから短期間で花が咲くので、一年で枯らしてしまう方でも、とりあえず植えた年だけはきれいな花を楽しむことができる。

一方でオキナワチドリは、植えつけてから開花まで半年かかるので、開花時までの栽培の巧拙が他種とは比較にならないほど露骨に反映される。管理状態が悪いと花が小さくなる性質もあり、慣れない人が育てると大輪選別品種でも野生並花とほとんど区別がつかなくなる。

そういうわけでオキナワチドリの場合は、たとえば斑入りだとか、花色が赤かったり白かったりするような、栽培条件で変化することの無い変異形質のほうが珍重される。標準個体であれば花の大小を気にせずに、寄せ植え全体を一つの花束に見立てて楽しむのが一般的のようだ。

そういうわけで画像個体のような「優良花」を選別して殖やしてもほとんど評価されることは無い。自分でも何をやってるんだろうなー、という感じではある。