Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Dendorobium okinawense

Endemic in Okinawa island, Japan.

f:id:amitostigma:20160402101417j:plain

オキナワセッコク沖縄本島北部に自生するセッコクで、茎の長さが60cmを超える。花色はどの個体でもほぼ白一色だが、花型にはかなりの個体差がある。花径の大きいものと小さいものでは倍ぐらいの差があるし、花弁が乱れてヨレるもの、整型で平開するもの、唇弁基部の斑紋が濃いもの薄いもの、園芸的な目で見るとかなり個体差がある。画像個体はどちらかというと小輪で、特記すべき特徴の無い並物。

花には香りがあるが、これも個体差があって芳香寄りの個体と悪臭寄りの個体があるようだ。香りの感じ方は個人差が大きいのであくまで管理人個人の感想になるが、標準的個体だと甘い感じだがなんとなく生臭い、あるいは化粧品っぽいような青臭いような、表現しづらい面妖な香りがする。室内に置くと臭くて嫌、という人も少なくない。

希少種ではあるが性質は普通のデンドロビウムなので、洋蘭が育てられる人であれば栽培は難しくない。沖縄には実生で山のように種苗生産している洋蘭業者もいる。ただし親個体には選別をかけていない普通個体を使っているようだ。購入者のほうも花色は気にしても花型まで気にとめる人は少ないようで、並花でも問題ないのだろう。

セッコクは低温期が続くと花芽がつくが、沖縄だと気温があまり下がらないので本土産セッコクだと花が咲かないことがある。しかしオキナワセッコクは低温要求が低いようで沖縄でも普通に咲く。大型種なので屋外栽培ができない本土では敬遠されるようだが、沖縄では屋外に吊るし、大株作りにして派手に咲かせられるので人気がある。結局のところ本土では本土のもの、沖縄では沖縄のものを育てるのが一番合っているのだろう。