Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Amitostigma lepidum 'Spotless form'

not alba. 

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オキナワチドリ酔白無点。(酔白:すいはく=お酒に酔ったようにほんのりピンク色、という意味の園芸用語。ピンク色に見えないぐらい色の薄い花のこと)。

地色の白っぽい個体を選別交配して色抜きした系統。

 

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純白花ではないので花粉は黒っぽい。白猫はアルビノ猫ではないので眼は赤くない、みたいな感じだと思ってほしい。(正確には白猫はW因子=超白色遺伝子による発色なので、潜性遺伝の酔白花とはまったくの別物)

 

alba form seedling.

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比較のため純白花。花粉の色素が抜けて黄色くなる。

酔白花と純白花を区別せず、一括して白花と言っている人もたまに見かける。観賞的にはどちらでも似たようなものなので、一般趣味家はそれで良いのかもしれない。

しかし交配育種する場合は厳密に区別しておく必要がある。酔白と純白はそれぞれ異なる遺伝子によって出現するので、両者を交配するとお互いの特徴を打ち消しあって「普通の花」に戻ってしまうからだ。実際にはまずありえない特例個体同士の交配に限られるけれど、純白×酔白無点=「紅一点」、というような極端な結果になることも理屈の上ではありうる。