Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Amitostigma lepidum 'alba form'

seedlings.

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オキナワチドリ純白花(遺伝子型1)、実生。リュウキュウイノモトソウ地模様型(幼苗時は青葉)とアマミカタバミが飛び込んだので、こまめに刈りこんで生育を押さえている。抜いたほうが早いのだが、野生絶滅品種と絶滅危惧ⅠAは心情的に根絶しづらい。

この育種ラインでは草丈を押さえ、葉が丈夫で傷みにくいように育種を進めている。地際で開花するのは鑑賞的には最上と言い難い。しかし一般栽培家の棚では日照不足で草丈がやたらと伸びてしまっている場合が多い。管理人の棚でこれぐらいの草丈で咲く個体だと、他所では丁度良い草丈になるようだ。

 

Amitostigma lepidum 'Ayakumo'

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こちらは斑入り個体「綾雲」。野生選別品種で、品種改良はされていない。上記の純白個体の隣に置いて用土や肥料などもまったく同一の条件で育てたものだが、こちらが普通のオキナワチドリの草姿。(個体群によってはもっと背の低いものもある)

草丈に関わる遺伝子は多数あるようで、純白花(1種類の遺伝子だけ変異している)のようなオンオフのデジタル的な遺伝にはならない。傾向としては両親の中間になることが多いが、それよりも背の高い子、低い子も生まれてくる。背の低い子だけ選んで子供を作っていくと、1世代ごとに平均身長が低くなっていく。(高くしたければその逆をすれば良いが、背丈を伸ばしても倒伏しやすくなるだけでメリットが無い。)

さまざまな特徴において同様に選別していくと、どんどん野生個体からかけ離れた個体になってくる。どういう形質を是とし、どの性質を否とするか。それがブリーダーの悩みどころ。