Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Ranunculus extorris var. lutchuensis

from Okinawa island, Japan.

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リュウキュウヒキノカサ、栽培品の植え替え。地下部の画像はネットに無いようなので参考資料としてアップしてみる。芽出し時は地上部が貧弱だが、冬を越すと急激に大きくなる。

園芸品種のラナンキュラスと同様、夏は落葉休眠して地下の紡錘根だけになる。今頃から生育を再開し、春に開花する。増殖率は非常に良く、しっかり肥料を与えれば一年で5倍以上に増える。ラナンキュラスは夏には掘りあげて半乾燥状態にしないと腐ってしまうが、本種は湿気に耐えるので一年中灌水を続けていても問題ない。

耐寒性が比較的強く、本土でも凍結させなければ屋外で越冬できるそうだ。栽培が容易で花もそこそこ綺麗だが、日照が足りないとすぐ間延びして見苦しくなる。草丈も30㎝を超えることが珍しくなく、鉢植えで盆栽的に締めて作るのは難しい。

沖縄では一部の好事家が育てていて、画像個体もそれを10年ほど前に分けてもらったもの。しかし山野草としては外国種のヒメリュウキンカのほうがあらゆる点で優れている。地元の植物なので愛着がある、という以外に育てる理由は無い。(<断言)

もともと畦道に生える雑草で、金銭価値は無いに等しい。野生では絶滅寸前だが、園芸目的で乱穫されたわけではない。除草剤を使っていない自然な畦道というものが、沖縄から無くなってしまっただけ。

ちなみに自家不和合で、一株だけ育てていても種子はできない。株分けで殖やして世に広めたとしても、単一クローンの本数が増えるだけで世代交代は不可能。それは種(しゅ)として見れば絶滅しているのと変わりない。

栽培下で保護してます」とか主張したければ、同一個体群の異系統個体を複数入手して・・まあ、本種に関しては沖縄の某植物園でもう実践されているので、管理人が血眼になってやる必要は無い。クローン増殖ごっこを適当に楽しませてもらうことにする。