Amitostigma hybrid

Ponerorchis lepida X Shizhenia pinguicula

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オキナワチドリ X 中国大花チドリ。

某業者が販売している交配種。

 以前は両親ともAmitostigma(旧イワチドリ属)だったが、現在はオキナワチドリはPonerorchis(ウチョウラン属)に統合され、学名もAmitostigma lepidumからPonerorchis lepidaに変更された模様。

 中国大花チドリのほうは独立属として分類しなおされ、Amitostigma pinguiculaからShizhenia pinguiculaに変更されたらしい。

 現在の分類基準に従えば、この交配種は属間交雑ということになる。外見的には両親の中間型で、花粉親と比較して特に優れている部分も見当たらない。遠縁交配なので近縁種交配のような雑種強勢は生じず、むしろ性質は虚弱になっている。ほぼ不稔なので交配育種をここから先に進めることもできないし、まあ「面白い」という以外にとりたてて推奨する要素は無い。

 じゃあ何でそんなものを紹介するのか?と言えば、要するにネタ切れである。当ブログは基本的に地生蘭の紹介記事を書いてきたのだが、近年は野生採取株の画像を貼るのは盗掘品を手に入れて自慢している低脳、という風潮になってきたので、地生蘭に関しては貼る画像がもう無いのである。

シンビジウムやパフィオペディルムのような一部の長命種、あるいはシランのような例外的強健種を除けば、地生蘭のほとんどは長期栽培が不可能に近い。

 野生での平均寿命は数年程度で、種子で世代更新しながら生きているもの(ダイサギソウ、スズムシソウ等)や、あるいは個体寿命自体はそこそこ長いが、ウイルス耐性が乏しくて健全に長期栽培することが難しいもの(エビネ、サギソウ等)、すぐ腐るので環境などを厳密に整えないと生かしておく事自体が難しいもの(シュスラン系、コリバス等)など致命的な難点のある種類ばかりで、常人が何十年も生かしておけるような地生蘭は皆無に近い。発見後100年以上も栽培下で育て続けられている品種のある、セッコクやフウランとは訳が違うのである。

 突き詰めれば地生蘭の栽培とは、栽培者の思い出作りのために野生個体を消費する行為である。生息域外保全の役には立たないし、園芸の発展にもつながらない。そんなものを育てている奴は、あえて言おう、カスであると。(<管理人含む)

 そう言うと、いや自分はきちんと栽培しているし、殖やしてもいる、と反論なさる方がおられるかもしれない。だが、残念ながら地生蘭に関しては「栽培できている」というのは妄想にすぎない。それは時間や金や労力を湯水のごとくつぎこんで、死に至る植物の延命を続けているだけである。

 栽培者個人にとっては、気が済むまで育て続けられればそれで満足だろう。だが、時間や金や体力が尽きて、延命が続けられなくなった時に栽培品はすべて消滅する。そんなもの社会にとってはクソほどにも意味は無い。

 まあ、商業生産苗であれば枯らそうが煮て食おうが勝手にやれば良い。が、どこでどうやって採取されたか不明の絶滅危惧種を消費栽培している行為を、わたくしの趣味でございますと胸を張って言えるのか? そんなものをSNSで自慢してどう思われるか考えた事も無いとか馬鹿の極みじゃねえの? と、いきなり見ず知らずの人から突っ込みが入ってくる時代なのだよ今は。

 そんな時代だからこそ、希少植物を入手した時はせっせと増殖して苗を世に広めていこう、とか思う若人がもしいるなら言っておく。

無駄だ

 栽培が面倒臭い植物は、生かしておくだけでも膨大なリソースが必要になる。今の時代、誰にもそんな余裕は無い。植物園であろうが民間であろうが、金にならぬ事にとりくむ余裕はこれっぽっちも無い。例外的に金になる、育てられもするパフィオなどはとっくに業者が殖やしているが、それ以外の種類は普通の管理では育てられないので業者や植物園は手を出さない。普通でない方法なら育てられはするが、金や労力の点で永続できない。

 ボランティア的に苗を生産して配っても、最初から真面目にやる気が無い栽培者は3ヶ月以内に腐らせる。そこそこ真面目に育てようとする人でも栽培できるのはせいぜい数年。10年育て続けられる人はまずいない。30年たてば栽培を続けているのはあなた一人になる。頑張って何百本の苗を供給しようとも再生産する人はゼロ、どれだけ多くの人に配っても全部消費されて終了である。年間300万本が生産されるウチョウランが全部消耗品にされている状況を考えれば、数百本の苗など焼け石に水、餓えたサバクトビバッタの群れの中に花を植えるようなものである。

 それでもなお、自分は地生蘭を育ててみたいのだ、という方がいれば、管理人はそれを止める権利は無い。だが、もし育てている奴を見つけたら、容赦なく突っ込みを入れさせてもらう。もし公開するならば、それなりの覚悟を持つがいい。

何?あんたにも突っ込みを返させてもらう?

 もちろんそれは自由だ。他人を撃っていいのは、撃たれる覚悟のある者だけだ。そういう場合に備えて、このブログはクリック一つで記事を全削除して逃亡できるよう設定してあるのだ(笑)