New Book

published in 15/01/2019

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ゲッチョ先生こと、盛口満氏の新刊。琉球弧(奄美含む)の植物利用についての聞き書き集。初耳の情報が多く、植物に関する雑学集として秀逸だが、文章が主体で図録ではないため読み手を選ぶ。

内容的には知識収集属性のある人間ならばゾクゾクするかもしれないが、そうでない人間は開いただけで睡魔に襲われるだろう。まあ、「ゲッチョ先生の本」と言って理解できる方なら読んでも損は無いとは思うが、正直言って一般向けとは言い難い。

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内容的には上画像のような感じ。森林がなく開墾地が広がる喜界島では魚毒漁に樹木が使われることは少なく、畑雑草であるティンボッサー(キツネノヒマゴ)が使われていた、という話の挿絵部分である。喜界島ってどこ?なんで森林が無いの?魚毒漁って何?キツネノヒマゴなんて聞いたこともないんだけど?という人には面白くも何ともないと思われる。

あーそうなんだ、と興味を持って読むためには地政学、文化史、植物知識などについての背景がよく理解できていて、その上ですっごく非常識な部分がある事に気づいて面白がるという行程が必要になる。本書では一般向けゲッチョ本のような背景解説は書かれていない。普通の人だと面白がる以前の段階で、書いてある内容の特殊性がそもそも理解できないと思う。

南方熊楠(1941年没)と聞いた時に、それが誰で何をした人か理解するだけでなく、彼が40年飼ってたペットの「お花」ちゃんはその後も2001年まで生きてて話題になったよね、などという話まで普通に出てくるような変な人であれば、この本をお奨めしておきたいと思う。