Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Viola stoloniflora

flask propagation.

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オリヅルスミレ組織培養。オリヅルスミレがどういう植物なのかは以前にも書いたし、検索すれば出てくるので今回は省略。

「組織培養している」と言うと「どうしてそんな面倒なことを?」と怪訝な顔をする方がおられる。まあ最近はオリヅルスミレも普及種になったので、枯れてもまた買えば済む。一般花卉と同様に、使い捨てにして楽しむのが一番楽ではある。

しかし管理人が初めて入手した時には、ごく一部の研究者だけが保持している幻の希少種だった。枯らしたら再入手は絶望的と言われていたので、元気に育っているうちにバックアップ苗を作っておくのは当然のことだった。本種に関してはもう予備苗を作る必要もない気がするが、万が一にそなえて今も継代培養を続けている。

フラスコに入れてしまえばウイルスや病原菌、害虫などから99%保護できる(コンタミネーション=外部からの雑菌侵入が稀にあるので100%ではないが、フラスコ数本に分散しておけば全滅はほぼ防げる)し、暑ければクーラーの下に置いて冷やしてしまえば良い。栽培者が出張で留守をしたり、病気で入院したりしても放任状態で問題ない。置き場所の温度や光量が適切であれば、1年間まったく世話しなくても元気に育ち続ける。天災で断水したり、避難生活で栽培どころではない状況になったり、管理人が被災死したとしてもフラスコが無傷なら大丈夫。いや大丈夫じゃないけども。

系統維持だけが目的なら、むしろ親株を処分してフラスコのほうを残しておいたほうが楽かもしれない。