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Bletilla ’Coerulea’

Bletilla striata 'Murasaki-shikibu'

wild correct in Japan.

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シラン「紫式部」。俗に「青花シラン」と呼ばれる野生選別の色彩変異個体。発見当時は新色発見として大騒ぎになり、バブルの頃でもあったので恐ろしい値段がついた。その後は増殖が進んで価格も下がり、今では誰でも買えるようになっている。

青花系の原種個体は数系統見つかっているが、「紫式部」以外はまだ増殖が進んでおらず入手するのは易しくない。

ちなみに「紫式部」の色彩変異は劣性遺伝で、他の個体と交配すると子供は標準花になるが、孫世代で再出現する。

 

Bletilla unknown hybrid.1

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こちらは正体不明のシラン系交配種。業者の実生品だが、交配親は公開されていない。草丈が原種シランよりもやや小さく、小白笈系の血が混じっていることが推測される。しかし花だけ見ると「紫式部」とほとんど区別がつかない。

 

Bletilla unknown hybrid.2

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こちらは「青花シラン」という商品名で売っていた個体。純粋なシランではないようだが、草姿などはシランに酷似しており慣れないとほぼ見分けがつかない。海外のサイトではこの系統が「紫式部」として紹介されている事例を散見する。

一見したところ紫式部と似たようなものに見えるが、遺伝子的には完全な別物。この個体は普通よりほんの少しだけ青みのある系統と、色素の薄い系統の交雑種であるようで、実生するとほとんど白に近い花から標準花に近い花まで分離してくる。「紫式部」と交配すると子供はすべて標準花になる。

 

Bletilla unknown hybrid.3

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こちらは「姫青花シラン」という商品名で販売されていた個体。

原種シランよりも小型で、小白笈系の血が強く表れているようだ。花だけ見ると「青花シラン」とほとんど区別がつかない。

こういう識別困難な複数血統が、交配記録のついていない状態で大量に販売流通している。時には明らかに交雑種と思われる個体が「シラン」という名札で売られていたりもする。さらにシラン系は虫媒でできた種子が散って勝手に発芽してくることがよくあるので、一般趣味家の庭先で次々と交雑が進行して知らないうちに新品種が生えてくることすらある。これでは品種整理しろと言うほうが無理だろう。

家庭園芸では、綺麗で育てやすければ血統などどうでも良い話ではあるのだが、雑種が無頓着に「シランです」と言って売られていても誰も気にしていない状況は少々悩ましい。今のところ交雑種が栽培逸出して問題になった事例は聞いたことが無いが、シランの自生地に種子が飛んだりすれば遺伝子汚染をひきおこす可能性は否定できない。外来種として、本来もっと取扱いに慎重になるべき植物かとも思うのだが・・