Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Lysimachia mauritiana

in Habitat. Higashi village, Okinawa island, Japan.

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ハマボッス沖縄本島・東村にて。

サクラソウオカトラノオ属の越年草。北海道から沖縄、アジアから太平洋諸国までの海岸に広く分布しており沖縄固有の植物ではない

・・と考えられていたのだが、近年の研究で日本各地の個体群はそれぞれDNAタイプが異なり、染色体数なども違っている場合があることが報告された。異なるタイプ間で交配すると種子ができない場合もあるようで、それぞれを別種として再記載することが必要になるかもしれない。

研究内容|京都大学 大学院人間・環境学研究科/総合人間学部 瀬戸口 浩彰 研究室

上記画像は中琉球型、オキナワハマボッス(注:管理人が勝手に呼んでいるだけなので引用しないように)とでも言うべきタイプらしい。間違っていたらコメントください。

 

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こちらは沖縄県立博物館で撮影してきた、沖縄県内に分布するハマボッスの形態模型。(クリックで拡大)フラッシュ撮影禁止だったので暗くて見づらいが、左から北琉球、中琉球、南琉球タイプ。草姿などが微妙に異なる。南琉球型の花には少しピンクっぽい色が塗ってあるが、西表島などには「紅花」と呼んでもいいぐらい濃色の個体もあるらしい。

どこにでもある草だと思っていたら、じつは自分の郷土にだけ局所分布している固有植物だった・・という話はしばしばある。研究者がいない植物だとそもそも調査自体されていなかったりするので、保全がどうのこうのと言う以前に、存在すら認識されないまま絶滅していく場合もあると思われる。