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Amitostigma lepidum

spotless form seedling, too early blooming.

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オキナワチドリ実生、今期の初開花。1月頃に咲く株はたまにあるが、12月中旬に咲くのはさすがに珍しい。交配親もかなり早く咲く個体だったので、花の咲く時期には遺伝性があると思われる。ただ、オキナワチドリの開花時期は栽培温度によって2ヶ月程度は前後するので、開花時期をずらす目的で育種してもほとんど意味は無い。

実生初花なのでまだ花が小さく、今の時点では園芸的評価は保留しておく。

 

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せっかくなので「オキナワチドリ大点×中国大花チドリ」(上画像)に早咲きオキナワチドリの花粉をかけて「戻し交配」を試みている。稔性確認のためのテストで、苗がとれることは最初から期待していない。(春咲きエビネ類のような例外を除いて、種間交配種は一般的には種子を作る能力がゼロに近い。ただし健全な原種の花粉をつけてやると、発芽力のある種子がきわめて低い割合だができることもある)

洋蘭の場合は複雑な種間交配でも比較的簡単に苗が得られるので、どんなランでも簡単に交配できると思っている方もおられるようだ。が、大型の蘭は1果実で数十万粒の種子ができるので、受精成功率が低くても「数撃てば当たる」状態になる。着生蘭の種子は適切に培養すれば100%近く発芽するので、たとえば有胚種子が0.1%しかできなかったとしても、50万粒の種子ができるランなら500本の苗が得られる。

ところが小型地生蘭は種子数がもともと少なく、発芽もしにくい。順調にいっても1果実からせいぜい100本しか苗がとれないような種類も珍しくない。有胚率0.1%であれば10果実以上を播種してやっと1本苗がとれる計算。しかも異種間交配の後代では高率で生育異常が出現するので、100本の苗が得られても花卉として評価できるのは1本あるかどうかというレベルだったりする。500本の苗があったら5本くらいは評価できる個体もできるだろうが、数本程度しか苗が得られなければ育種の成功率は宝クジを引き当てるような話になってくる。だが播かぬ種は生えぬ、買わなきゃ当たらぬ宝クジ。

ちなみに「当たり」でも、100円が当たりました的な地味な結果のほうが多かったりする。