Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Philoxerus wrightii

in Habitat. Okinawa island, Japan.

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イソフサギ。海岸の海水をかぶる岩上に生えるヒユ科の植物。花色は白に近いものから黄色、淡褐色、紅色まで産地によってバリエーションがあり、多肉質の丸い照り葉も山野草的視点から見てなかなか魅力的。が、ネットで検索しても栽培している事例は皆無に近い。

根が岩塊に食いこんでいるので株ごと採集するのはまず不可能、しかも生育がものすごく遅く、さし芽などの成功率も低い。とどめに生育適温・適正日照が熱帯植物並みなのが致命的。自生場所である岩上は強い日光で高温になり、海岸は暖流の影響もあって夜温もそれほど下がらない。それゆえ分布域としては本州南部まで記録があるが、鉢栽培にすると沖縄本島でも冬季に若干温度不足になるようで、生育がよろしくない。本土で育てるとすれば、砂漠爬虫類飼育用のメタルハライドランプでも流用しないと越冬が難しいのではないかと思う。こういうものは自生地で見るにとどめておくのが無難だろう。

*2021年追記。その後に植物用の高輝度LED、爬虫類用のスポット温熱ランプなどが発売されたためメタルハライドランプはもう過去の道具となっている。