Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Tuber of Habenaria hybrid

Habenaria rhodocheila X (Hab.medusa X Hab.dentata)

look like Hab.dentata.

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ハベナリア・ロドケイラに(メデューサ×ダイサギソウ)の花粉をかけた交配種の球根。フラスコ出し2年目。ロドケイラの球根は扁平なイチョウイモ型だが、この交配種の球根はダイサギソウと区別がつかない。

東南アジア系のハベナリアは2月頃からガンガン温度をかけて芽出しを早めてやらないと、生育が遅れて年内に成熟休眠させることができなくなる。

一般に流通している株だと今頃に開花している場合も珍しくないが、そういうものを入手した場合には冬の間ずっと高温を維持しつづけてほとんど休眠させないようにして、翌春4月頃に地上に出葉するよう生育サイクルを調整せねばならない。生育適温以下にして停滞させると芽が動きだすのが5月頃、地上への出葉はさらに遅れて生育サイクルが乱れまくり、そのうち新球根がまともにできなくなって枯死する。

一年目だけ花を咲かせても、それを育てられたとは言わない。現状維持できたとしても「作上がり」や「増殖」ができなければ、病気や事故でつまずいた時にリカバリーがきかない。枯れるまでの時間が長くなるだけだ。

温度が一番の問題なので、コチョウランやバンダ系のランを扱っている洋蘭業者の温室だと放任状態で普通に育っていて「簡単ですよ」などと事もなげに言ってくれたりする。が、それは熱帯性原種コチョウランを毎年咲かせられるような環境であれば、の話。

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球根先端部の拡大画像。茶色く枯れた部分の基部に、見えないくらい小さい新芽が入っている。ハベナリアの場合、この部分が傷んだら二度と発芽しない。輸入乾燥球だと球根本体は健全そうに見えても、乾きすぎて新芽だけが駄目になっている事もある。乾かしすぎるのは禁物。

さりとて水分が多いと古い組織がカビてきて、新芽ごと腐ってしまう。葉が黄変しはじめる徴候がみられたら灌水量をひかえめにし、用土を半乾燥にして古い部分を徐々に脱水させ腐りにくくする。

古い組織がひからびて脱落してしまえばある程度まで温度が下がっても大丈夫にはなるが、低温になるほど腐りやすくなるので高温を保ったまま越冬させたほうが安全。

親株がきちんと栽培できるようになったら次は交配して実生増殖・・なのだが、ハベナリアを入手した人の99%は栽培段階で脱落する模様。