Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Habenaria aff.schimperiana

from South Africa.

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 南アフリカ産のハベナリア。これは昭和時代に東京の栽培家(故人)が個人輸入した系統だそうだが、類似種が非常に多く正確な種名が絞りこめない。国内ではアフリカサギソウという商品名でまれに流通しているが、栽培している人をまったくと言ってよいほど見かけない。

 栽培は難しくない、というかハベナリアとしては非常識なレベルで育てやすい。暑くてもびくともせずにガンガン育ち、凍らせればさすがに腐るが無加温でも5℃あれば問題なく越冬する。分球率は年3倍、自殖性で交配しなくても勝手に結実し、こぼれ種で実生が生えてくることも珍しくない。本土の知人はサギソウよりはるかに栽培が簡単だと言っていた。

 にもかかわらず、インターネットでハベナリアに関して検索しまくっても栽培例がほとんどヒットしない。

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 造形的には悪くないのだが、草丈50cmを超えるのに花は1cmにも満たず遠目にはたいへん地味なので栽培欲をそそらないのだろう。夜になると腐りかけた生イワシのような異臭を発するため室内には置きたくない植物でもある。

 とはいえレアな植物ではあるし、もう少し栽培者が増えても良いのではないかなー、とも思う。