Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

Pteris ryukyuensis

form ʻVariegata'

spore cultivation.

from Okinawa island,Japan.

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リュウキュウイノモトソウ地模様型、幼株。このタイプは野生ではきわめて希少で、植物園の絶滅危惧植物増殖プロジェクトに名前が出てきたりする。が、変異個体群が珍しいだけで、基本種(青葉)はただの市街地雑草。

個体寿命が短いので同一個体を長期維持するのは難しいが、胞子が飛んで子苗が勝手に生えてくる。シダマニアの温室に行くと地模様型のほうが雑草化していたりする。胞子播きの経験がある園芸家であれば、その気になればいくらでも殖やせると思う。

これと酷似したオオバノイノモトソウ地模様型Pteris cretica albolineataが大量増殖されて100円ショップなどにも出回っているので、このシダを説明無しで見せると「これってどこでも売ってるよね」と言われる。

その一方で文献情報しか知らない学者先生に見せると、名前だけ見て脊髄反射的にこういう希少種の取り扱いはどーのこーの、絶滅危惧種を一般人が栽培するのはモラル的にどーだこーだと一方的に説教してきたりする。山草展の展示などにはいろいろな意味で向いていない。

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成熟株。胞子葉は細くて長く伸び、全体ではかなりのボリュームになる。上手に育てると涼やかで美しい観葉植物になるが、大株にすると草姿が乱れやすく枯れやすくもなる。近くの鉢にとんだ胞子から生えてきた小苗を新規に育て、定期的に更新していくのが良さそうだ。 

こちらは明るい棚で十分な日照を保って育てた株。引き締まった感じになって別種のような趣(おもむき)がある。外国種のシダも良いが、こういう地元の植物を真面目に作り込んでみるのも管理人は好きである。