Amitostigma’s blog

野生蘭と沖縄の植物

種播きサンプル

seedlings from same capsule.

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同一果実から育成した姉妹株の寄せ植え。

 大点系(一般に紅一点花と呼ばれるが、真正一点花ではなく大点が凝集した疑似一点花。多因子遺伝)、純白系(遺伝子型#3、潜性遺伝)、無点系(不完全顕性)の3変異をいろいろ相互交配していき、後代でそれらの形質を分離させた。

・・意味がよく判らない方は、とりあえず「種を播くといろんな色の花が咲いて楽しい」という事だけ覚えておいてください。現場からは以上です。

 

以下、業務連絡。

 

 この中に「無点系の紅一点花」というわけのわからない個体が混じっているが、どの花かお判りだろうか。(ヒント:無点遺伝子には斑紋を細かく分割させる性質がある)

 無点に関してはこの世代では(表現型では)ホモ接合個体は出現しておらず、ヘテロ個体(分割点花)のみが認められる。

 純白花はヘテロだと斑紋の色が希釈され、個体によっては斑紋が藤色になる。ちなみに純白ホモはどんな遺伝子型でも見た目にはただの白花になるので、画像の白花はじつは隠れ紅一点、あるいは隠れ無点かもしれない。(検定交配しないと判らない)

 なお、この交配には大輪花の遺伝子も組み込んであるが、大輪はがっつり肥培して「本芸」の状態にならないと発現しないので当歳実生では識別不可能。この時点で花色だけ見て選別すると、カス扱いした個体のほうが後年に大化けしたりする。